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くま社長閑話 Vol.390 「九品」(過去のFacebook投稿より)

先日、とあるご年配の御仁が来社され、その方のつい最近行かれた旅の土産話をなさった際にわたしにさりげなく置いていかれた冊子のコピーを、眺める。

鳳凰堂内の配置図が添えられた資料には、「観無量寿経」が説く九品(くほん)の来迎(らいぎゃう、らいげふ、か?)と題して、観無量寿経の第十四、十五、十六観には、人の生前の性質や行いに応じた九つの来迎が説かれている、とある。

上品(じょうほん)、中品(ちゅうほん)、下品(げほん)の三つの品にそれぞれ、上生、中生、下生があり、それら九つに、それぞれその人の性質、行いが説かれており、ひやひやしながら拝読する。

勝手ながら無学のわたしが自分のこれまで、今、そしてこれからを鑑みて、さて、何処の者なのか、当てはめてみようと思う。

中品下生には、

立派な若者、娘で、父母に孝養し、世に仁慈を行う者

と、ある。

下品上生には、

大乗経典を誹謗しないが、諸悪業を行い、それを恥じない者

と、ある。

下品中生には、

五戒、八戒、具足戒を破り、僧物や供物を盗み、私利私欲の為に説法を行い、悪しき行為で自らを飾り立てる者

と、あり、

況や、中品中生以上の説くに、到底当てはまる者でなく、いやはや罷りなれば、中品下生と下品上生の間くらいでは在りたいと願うも、更に、

下品下生に、

五逆罪、十種の悪行を犯し、諸不善も行う者

と、あれば、

うううぅーーん、心当たりあり。

此は括って我下品と相成れば、其の御仁、帰り際に、その旅の土産話を矢鱈に感心を持っているやうに聞き入り、頻りに合いの手を打つわたしの言葉を遮るように、

「ゲホン、ゲホン」

と、軽く咳払いをされたのを、今、思い出し、独り会社の窓際で顔から火が出る思いがした。

成る程、此れからはお相手のお方の咳払いには、註聴せねばならぬ。

曰く、「下品、下品」

上品(じょうほん=じょうひん)をエレガント、と無学のわたしは勝手ながら通訳、解釈しておったが、

上品上生には、

誠実な心、深い信心、回向発願の心を備えた者。また慈心を持ち、戒律を守り、大乗経典を読誦し、六念を修行する者

と、ある。

また、上品中生には、

必ずしも大乗経典を読誦しないが、その意義を理解し、心驚動せず、因果の理を信じ、大乗を誹(そし)らぬ者

と、あり、

上品下生には、

因果の道理を信じ、大乗を誹らず、無上道心を発する者

と、一生を三度程させていただいても到底辿り着けるものではないと観念する。

中品上生には、

在家信者の守るべき五戒、八戒を守り、諸戒を修行し、五逆罪を犯さない者

と、あり、

中品中生には、

一日一夜八戒、或いは沙弥戒、或いは具足戒を保つ者

と、ある。

わたしがかつて二十歳の時、若気の至りでフェンダージャズベース一本だけ持ってミュージシャンに憧れ上京した折の住まいは、大きなフロアをコンパネで仕切ってあるだけの四畳半一間の窓の無い新聞配達員の住込み部屋であったが、尾山台と言う、東急大井町線の駅から、環八へ向かう駅前通りと環八の角の酒屋の隣の古ぼけたビルにあった。その尾山台より、自由が丘、大井町向きへ、一駅、隣の駅は、九品仏。
ヘンな駅名だなぁ、程度にしか当時は思ってなかったが辺りの雑木林に竹林、なにやら面妖な雰囲気でもあった。
近くに日本の映画スター小林旭の家があり、高級外国車が並ぶその門柱のポストにも新聞を入れていた。

二十九年が経ち、いやはや、御仁、約三十年の間の過ち、罪、汚れを、此処に改めんと、いらした、もしや、阿弥陀如来の化身であったか。

否、此れほど時の悠々と有ったを不学、九品の意さえ解らずに此れ迄しゃあしゃあと生きてきてしまった自戒か。

夕べには白骨となりにけり

なまんだぶ、なまんだぶ。

シゴト、しれ!

はは。^ ^

ハチ

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2020-05-31 09:20 webmaster


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