くま社長閑話 Vol.256 「親友交歓」
金曜の夕方から、とある寄り合いでくま社長、またまた定山渓へ。
今年は大好きな定山渓温泉に何度も何度も行く機会に恵まれ、正直、うれちい。
そもそも本当に温泉好きな、くま社長。北海道の秋も深まり、冬の訪れをも、
心待ちにさせてしまう、露天風呂。
雪見酒。
ああ、何と云う、風流だろう。至極の喜び、ささやかな幸せ。
雪の北海道も、いいものなのだ。
くま社長、前世所以のDNAが五感を研ぎ澄ませ、野生の血が騒ぐ。
川に下り、遡上するサケを一網打尽、食べまくる様を、あまりヒトには見せられないが、年に数度、やっちまうのである。密漁の話ではない。ホントにサケが大好きなのである。
ま、さすがに魂はエゾヒグマに類型なのであるが、コンプライアンス、法令遵守。
川でサケをちょいと、ってわけにはいかぬ浮世の哀しさ、しかたなく、回転寿司のカウンターに一人腰掛け、流れるお皿を川に群れるサケに見立て、1枚、また1枚、と、サケが流れて来るたびに、震える我が野生本能の赴くまま、1枚、また1枚、
とやっちまうのである。
夥しい230円皿はバベルの塔が如く、忽ち聳え立つのである。
勉強会をさっと済ませ、懇親の宴はやはり、浴衣である。
浴衣の上に羽織を重ねて、袂に両の手を入れて、館内をうろつくのも、風情の端くれ、と云えよう。
今回の宿は総合温泉施設、とも云える程大きな規模のホテルであるが、なかなか日帰り入浴、とは行かない、設備施設の充実感を至る所に散りばめてある。
泊ってナンボ、寄り合い仲間との楽しい語らいの時間も、無論、大切なのだが、密やかに、くま社長、二次会を抜け出した。
お酒を嗜み、大いに語らい、そしてお部屋でぐっすり、眠る快楽。
幾ら回を重ねても、この時間の過ごし方は、飽くなき悦なり。
たまらん。
酔っ払って、寝るだけですから。
人生、これ以上の幸せはありません。
抜け出してどうしたのか、は、詳しくは書きませんが、戦友との久しぶりの語らい。
いやなに、温泉郷に、悲哀あり。歓喜あり。
がんばってる人がいることの、どれほど心の支えになっている事か。
23時59分59秒まで。
青春をぶつけて頑張っておる若者たちも、おるのじゃ。
再び、本隊である寄り合いの席に戻った。
何もなかったように、再び、楽しい語らいの時間が、そこに待っていた。
みんな頑張っているんだな。
ホントに頑張っているんだな。
よし、くま社長、まだまだ頑張らねば!
翌日、山の中を定山渓、小金湯、簾舞、川下、南の沢、中の沢、北の沢、小林峠、盤渓、福井、西野、発寒、と山の中ばかりを好んで愛車を走らせた。
「野だて」と呼ぶとは、知らなかったが、所謂、ポスターを張った板を支柱となる、角材の一本足で立ててある、例のやつだ。
このルートは、南区、中央区、西区、と連続して繋がっている、市内唯一の山道である。
交通量はあれど、夜はさみしいくらいだろう。
大変な作業だったろうな、と思いながら、快適なドライブをした。
みんな、頑張っているんだな。
久しぶりに、実家に寄った。
久しぶりに、実家でお昼御飯を食べた。
年老いた両親と母方の祖母。
いつまでも元気でいてほしいと思った。
また久しぶりに、映画をDVDで見た。
スティーブ・マックィーン、大脱走だ。
父の影響で子供のころに映画を相当、見た。
久しぶりに見た「大脱走」は、数多登場人物にそれぞれ、特技特徴を与えられ、戦時下の悲哀と共に、実話に基づいた、戦争の惨さを軽快なマーチである主題曲に乗せ、ハードボイルドに仕上がっている。
主演のマックィーンが操るオートバイのシーンは有名だが、こうしてみると、スタントなしで本人が操舵するオートバイが、まるで人馬一体、とも云える程の巧妙なテクニックを駆使されており、公私に渡って、モータースポーツを愛したマックィーンの若かりし青春の残像がしっかりと、しかもカラーで保存されている事に、淡い感動すら、覚えた。
誰にも青春はあるものだ。青春とは、淡く切ない思い出と共に、二度と再びない、人生に於けるもっとも輝かしいシーズンなのだと、僅かながら、今の吾が身のそれを振り返ってみては、そう悪くはなかったな、と短い時間だが、感慨に耽った。
古い映画には、超えてはならない、表現の品格、の様なものが存在していた。
表現は役者の技量もさることながら、名画には得てして、名台詞、と云うものが存在していた。
青春の真っただ中に於いて、カッコよさの模範ともいえる、ダンディズムの類が、演技と名台詞によって、随所にちりばめられていた。
それらは幾つも、記憶として残っては、自分の行動規範のように、繰り返し反芻され、失敗と成功を繰り返しながら、やがて少年は大人になっていく。
東京から夜中に電話があった。
武者修行中の魂の歌うたい、長谷川幸裕からだ。
渋谷でライブが敢行されたが、旨くいったのだろう。
ぐっすり、ハードボイルドな夢の中にいたボクは、今朝、目覚めた時に、着信を見て、そう思った。
頑張ってるんだな。
ボクも頑張らなければ。
午後から会社に出た。
社員のTくんが出社して、来週末の大きなイベントの準備をしていた。
頑張っているんだな。
ボクも頑張らなければ。
佳い週末を過ごすことができたことに感謝して。
2008-11-16 17:46
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