くま社長閑話 Vol.307 「あたらしい家族」
昨年6月、17年連れ添った猫、故にゃおーんさんがお隠れあそばされてから早半年。
当時は大いに悲しみに暮れ、喪に服した。
奥さんと愛息くんが相談してきて、新しい猫を飼うことになった。
それは、昨年の晩夏。
生まれたての子猫、乳飲み子を親猫から引き離して連れて来るというのだから、乱暴だ。
ボクはまだ先代の喪に服していたので、大いに反対をした。
理由は、子猫の乳離れ未然、哀れではないか、と云うことにした。
本当は、もう少し、にゃおーんを想っていたかったのだ。
あてずっぽで適当な理由は、得てして、赤子の手をひねるが如く、もろくも見破られると相場が決まっている。
母子そろって、「子猫の育て方」なる、読本を広げ、必死に、いやそれは愛息に限った
必死の態度であったが、子猫はどうせ親から離れるならば、早いほうが、里親に懐き、
住環境にも適応しやすい、と説得する。
「子猫の育て方」なる、読本如きに、一国一城、一家の長が、負けるはずがない。
一蹴した。
が、その日から、家族の雰囲気が激変した。
恨み節の、あの目、である。
これは、たまらない。
なんだかんだ云って、承諾するほか、あるまい。
新しくやって来る予定の子猫に比較して、目の前の母子の方が何倍もかわいいに決まっている。
ちくしょう、てやんでぇ。
男とは、つらいもんである。
ボクは一瞬、「帝釈天で産湯を浸かった」気がした。
それから、半年。
昨日、近所の動物病院で避妊手術をせしめられた。
それはそれで母子の間では、特に愛息にとって、とても良い、思春期と云うものを
考える機会になったようだ。
曰く、ここんところ数週間、例の、夜中に、にゃぁにゃぁ、やたらと、鳴くのを
いよいよ、こらえきれなくなりそうになっていたところだった。
ん?
生まれて半年で、発情かえ?
おませちゃんだな、この猫。
エリザベスカラーを今日一日、着用しなくてはならないようだ。
しばらく、そーしてなさい。
2010-01-10 22:02
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