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くま社長閑話 Vol.219 「雪解け」

さっぽろ雪まつりの後、雪解けを待つ大通3丁目からテレビ塔を望む

いやー、日にちが変わってしまった。
25日(火)のくま社長閑話。26日(水)未明になってしまった。

お給料日が待ち遠しかったなぁ。

さて、今日大通をパトロールしていたら、やっぱり気になった、雪解け。
第59回さっぽろ雪まつりを2月11日に終え、大中小の雪像は見る影も無く解体される。そうして、雪の塊になっちゃった雪像たちは、遅い北海道札幌の春を今か今かと待ちながら、ゆっくりゆっくりと、自然のまま、融解して水になって、流れていくのです。

排水溝から下水に、そうして処理場に辿り着き、キレイになって、川へ戻される。そうして、その川はやがて海に注ぎ、大海原を形成する。
春、麗らかなそよ風に乗せて、大気は暖められ、夏、降り注ぐ太陽の熱によって、海の水分は蒸発を始め、それは俄かに寄り添い逢いながら、上昇気流にのって、そうして雲になる。
気圧と気圧の激しく活発な活動は熱交換の原理で風を生み出し、その雲をどんどん大きく育み、やがてそれを形成する水蒸気が結びつき、やがて引力に作用される程の質量を持ち始める。雨が降る。
秋、寒暖の差がもたらす激しい気圧の低下をきっかけに、それは渦を巻いて、台風になって巨大な力を伴って、強い風と雨を地上にもたらす。

そうして、冬。
地球の地軸が傾いている為、公転の兼ね合いで北半球は若干、〜そう、宇宙的には些細で軽微な偶然なのだが〜太陽エネルギーの注ぎを受ける面積が減って、大気は冷やされ、湿った空気を極地を中心とした冷気が此れを大いに冷やして、温暖な海洋面に流れようとして、シベリアから重く湿った雲が日本海を越えてやってくる。
そう、ここ北国、北海道に、どっかりと雪が降る。

雪が降る。

おおいに積もる、雪。

私たち北国の人々は、この輪廻を太古の昔から、自然の恵み、神さまの恵みとして、大いに泣き、笑い、崇め、讃え、行く手を阻まれ、生命の危機を迫られ、食物作物に養分を与え、それを保存し、時には地形を侵食し変貌させ、そうして楽しみかた、共存のしかたを永い年月をかけて構築して、雪と生きてきた。

雪を、そんな天からの恵みの恩恵と捕らえて、創意工夫して、楽しみから、苦労を経て、今や大げさではなく、芸術の域に達した、さっぽろ雪まつりの雪像たち。

その制作過程には、いったいどれだけのドラマが埋もれているのだろう。

ボクに限って言わせて貰えば、23年前、18歳、大学1年の冬(早生まれの為)、大通10丁目の雪搬入の民間トラックの出入りを捌く、アルバイトだった。年季の入った白いヘルメットにSTVのロゴをつけたものを被り、人参棒(警備警邏の際に手に持つ、赤く自ら発光点滅する、器具。当時も今も、警備業関係ではこれを、人参、と云うのだ。)を持って、誘導するのだ。

一生懸命やっているところを、ある御仁に目をかけていただき、野良犬のボクは拾われ、そのまま雪像制作スタッフ、また期間中の運営スタッフに抜擢されて、そうして今のボクがある。

雪は溶け、やがて春になり、しかし引き続きその御仁にお声掛け戴き、アルバイトの分際でカナリ様々な仕事をさせていただけた。そうして、本当に今のボクがある。

夏が来て、秋が来て、それでも一生懸命、そうしてやはり、その御仁にはお声をかけていただき、相変わらず様々な仕事をさせていただいた。

冬が来た。

また、春が来た。

今も、何も変わらない。

雪が融け、水になり、川になって、海に注ぐ。
雲になり、風にそよいで、また地表に雨となって、降り注ぐ。
秋が来て、冬が来て、そうして、やっぱり、雪が降る。

雪が融け・・・・・・・・・・・・。

今年もまた、春が来た。


2008-03-26 01:24 鉢直人


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